
院長:柴田お気軽にご相談ください!

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こんにちは。試合前になると胸がドキドキして息苦しくなる。練習中に急に不安が押し寄せる。そんな様子がお子さんに見られると、保護者の方は心配になりますよね。
一方で、部活を頑張る本人も、「体力がないのかもしれない」「気合いが足りないのかな」と不安になり、つらさを周りに言えずに抱え込んでいることがあります。
試合前の強い緊張や不安、動悸、息苦しさには、プレッシャーや疲労のほか、過換気、パニック発作、不安症、熱中症、脱水、貧血など、さまざまな原因が考えられます。
パニック障害に伴う不安や動悸は大人だけのものではなく、中高生にもみられることがあります。ただし、試合前に緊張して動悸がすることだけで、パニック障害と決まるわけではありません。
この記事では、保護者の方に向けて、部活中に強い不安やパニック発作のような症状が出やすい場面、練習前・試合前に本人ができる工夫、顧問への伝え方、医療機関へ相談する目安をお伝えします。お子さん本人にも、無理を我慢しないための参考として読んでもらえればと思います。
胸の強い痛み、失神、呼びかけへの反応がおかしい、意識がもうろうとしている、けいれん、高体温、まっすぐ歩けない、ぐったりしている、水分が飲めないといった場合は、パニック症状と決めつけないでください。
熱中症や心臓・呼吸器の病気などの可能性もあるため、運動を中止し、すぐに周囲の大人へ知らせましょう。意識状態がおかしい、呼びかけへの反応がない・おかしい、けいれんがある場合は、119番へ連絡し、救急車を呼んでください。
監修・執筆:柴田 孝史(整体師・管理栄養士/からだ回復センター京都城陽整体院 院長)


体の異変を我慢して隠さなくて大丈夫です。まずは信頼できる大人に伝えることから始めましょう。
この記事でわかること
部活動には、試合や大会というプレッシャーのかかる場面、日々の厳しい練習、先輩後輩や顧問との関係など、心身に負担がかかりやすい要素が多くあります。
動悸や息苦しさが出たとき、「体力がないから」「気合いが足りないから」と自分を責めてしまう子も少なくありません。しかし、こうした症状は精神力の問題だけではなく、緊張や疲労の積み重ね、睡眠不足、体調不良などが体に表れているサインであることがあります。
大会や試合の前は、「失敗したくない」「期待に応えたい」「レギュラーから外れたくない」という思いから、強い緊張状態が続きやすくなります。
緊張が高まると、心拍数が上がったり、呼吸が速く浅くなったりします。その体の変化を「苦しい」「このまま倒れるかもしれない」と怖く感じると、さらに不安が高まり、動悸や息苦しさが強くなるという悪循環が起こることがあります。
また、以前に試合前や練習中に強い動悸・息苦しさを経験したことがあると、「また同じことが起きるかもしれない」という予期不安が強くなり、試合や練習の前から症状が出やすくなる場合もあります。
ただし、試合前の緊張とパニック障害は同じものではありません。パニック障害では、予期しないパニック発作が繰り返され、その後も「また起きるのではないか」という不安や、場所・運動・外出を避ける行動が続くことがあります。症状が繰り返す場合は、自己判断せず医療機関へ相談しましょう。
顧問や監督からの厳しい指導、レギュラー争いへの不安、結果を求められるプレッシャーなどが積み重なると、心身の緊張が抜けにくくなることがあります。
本人にとっては当たり前の環境になっていて、「これくらいで弱音を吐いてはいけない」「みんなも頑張っているから休めない」と、つらさを我慢してしまうケースもあります。
頑張り屋の子ほど、自分の限界に気づきにくく、無理を重ねてしまうことがあります。


練習中に気分が悪くなる、めまいがする、力が入らない、息苦しいといった症状は、不安だけでなく、熱中症、脱水、低血糖、貧血、喘息、感染症、心臓や呼吸器の病気などが原因で起こる場合もあります。
不安からくる症状と、体の病気による症状は、見た目だけでは区別がつきにくいことがあります。体調不良が見られたときは、原因を決めつけず、まずは運動を中止し、涼しい場所で休ませ、衣服をゆるめ、水分摂取が可能かを確認してください。
呼びかけに反応しない、応答がおかしい、けいれん、失神、歩けないほどふらつく、ぐったりしている、高体温がある場合は、重症の熱中症なども考えられます。すぐに119番で救急車を呼んでください。
繰り返し同じような症状が出る場合は、学校の先生やスポーツドクターと相談しながら、まずは小児科やかかりつけ医を受診し、身体的な原因がないか確認しておくと安心です。
試合や大会の前に強い不安を感じるとき、無理に「気にしないようにしよう」「絶対に緊張してはいけない」と考えるほど、かえって緊張が強くなることがあります。
ここでは、体の準備の一部として取り入れやすい工夫をご紹介します。ただし、症状が強い場合、初めて起きた場合、繰り返す場合は、セルフケアだけに頼らず、医療機関への相談を検討してください。
ウォーミングアップの中に、呼吸のペースをゆっくり整える時間を少し加えてみましょう。
苦しくなったときは、無理に大きく息を吸い込もうとするよりも、普段どおりの呼吸を意識しながら、吐く息を少しゆっくり・長めにしてみる方法があります。
たとえば、苦しくない範囲で「4秒ほどで吸って、6秒ほどで吐く」ようなペースを数回行います。秒数を正確に守る必要はなく、「吐く息を少し長めにする」くらいの意識で十分です。
めまいが強くなる、苦しさが増す、胸の痛みがある場合は続けず、運動を中止して涼しい場所で休み、周囲の大人に伝えてください。発作のような症状が出たときの対処については、「パニック障害の対処法|発作時と毎日のセルフケア」もあわせてご覧ください。
不安が強くなってきたときは、これから起こるかもしれない失敗や体調不良を考え続けるより、「今、ここ」で感じられるものに意識を向けてみましょう。
たとえば、ユニフォームの感触、足裏が地面に触れている感じ、ボールの重さ、チームメイトの声、目に入る色などに注意を向けます。
頭の中を不安が占めている状態から、少し距離を置くきっかけになることがあります。
「失敗してはいけない」ではなく、「今できるプレーを一つずつ行う」と考えることも、緊張を和らげる助けになります。
試合前に不安が高まりやすい子は、当日の行動をできるだけ毎回同じ流れにしておくと安心につながることがあります。
たとえば、「朝食をとる」「早めに会場へ行く」「水分をとる」「軽く体を動かす」「呼吸を整える」「顧問やチームメイトに体調を一言伝える」といった、自分なりの準備の順番を決めておきます。
不安を完全になくすことを目標にするのではなく、不安があっても対応できる準備をしておくことが大切です。


体調のことを周囲に伝えるのは、本人にとって勇気がいることです。特に部活動という集団の中では、「特別扱いされたくない」「迷惑をかけたくない」という気持ちが強く働きやすいものです。
しかし、症状を一人で抱え込み続けると、練習や試合そのものがつらい時間になってしまうことがあります。まずは信頼できる大人に、今の状態を知ってもらうことから始めましょう。
すべてを詳しく説明する必要はありません。本人からは、次のように伝えるだけでも十分です。
保護者から顧問へ伝える場合も、病名にこだわる必要はありません。
「緊張や体調の波で、動悸や息苦しさを訴えることがあります。医療機関にも相談予定(または相談中)です。無理のない範囲で参加させたいので、体調が悪いときは休憩や見学の配慮をお願いできますか」といった形で相談すると、状況が伝わりやすくなります。
体調が優れない日に、すべての練習をこなそうとすると、心身の負担がさらに重なり、回復が遅れることがあります。
朝練だけ休む、きついメニューは見学する、途中で休憩を挟む、試合はベンチから参加するなど、部活との関わり方を調整できると、本人の安心感にもつながります。
これは「サボり」ではありません。今の自分の状態に合わせて活動量を調整する、大切な自己管理の一つです。
強い不安や動悸があるからといって、必ず部活を辞めなければならないわけではありません。本人の体調、学校生活への影響、医療機関での評価を踏まえながら、無理のない参加の方法を考えていくことが大切です。
ただし、症状が強い、何度も発作のような状態が起きる、試合・練習・登校を避けるようになった、睡眠や食欲に大きな変化があるなどの場合は、我慢を続けず、早めに医療機関へ相談してください。子どもや若者では、大人とは症状の表れ方や支援の方法が異なる場合があります。
体調が比較的落ち着いている日に、医師や学校と相談しながら、無理のない範囲で体を動かすことは、生活リズムを整えたり、気分転換になったりする場合があります。
ただし、運動による心拍数の上昇や息切れを「また発作が起きるかもしれない」と怖く感じる子もいます。そのため、急に練習量を戻すのではなく、見学、軽いストレッチ、基礎練習、短時間の参加などから、本人の状態に合わせて調整していくことが大切です。
運動やストレッチだけで不安症やパニック障害を治そうとするのではなく、症状が続く場合は、医療機関での診断・治療や心理的な支援を受けることを優先してください。不安症では、認知行動療法などの心理療法や、必要に応じた薬物療法が行われることがあります。
体のこわばりや日々の疲労に配慮したストレッチ・体操については、「パニック障害にストレッチは有効?無理なく体を整える運動・ツボ押し」もあわせてご覧ください。
次のような変化は、本人がうまく言葉にできない不調のサインであることがあります。
頭ごなしに理由を問い詰めるのではなく、「最近しんどそうだけど、どう?」「試合の前は特に苦しくなる?」と、日常の会話の中で声をかけてみてください。
症状が続く場合や、体の病気の可能性も心配な場合は、まずかかりつけの小児科に相談し、必要に応じて児童精神科・精神科・心療内科などの専門機関を紹介してもらう方法もあります。
次のような場合は、セルフケアだけで様子を見続けず、早めに小児科やかかりつけ医へ相談してください。
不安症の治療では、症状に応じてカウンセリングや認知行動療法、必要に応じた薬物療法などが検討されます。一人で抱え込まず、早めに専門家へつながることが大切です。
部活動に打ち込むお子さんにとって、体の不調を誰かに伝えることは、簡単なことではないと思います。それでも、我慢を続けることが必ずしも強さではないと、私は考えています。
動悸、息苦しさ、めまい、胸痛などは、こころの不調だけでなく、熱中症、脱水、貧血、呼吸器・循環器の病気などでも起こることがあります。
当院では、成長期のお子さんの体の緊張や姿勢、日々の疲労の蓄積、生活リズムなどを身体面から確認し、無理のない体の使い方や日常生活の工夫を一緒に考えます。
部活と両立しやすい生活リズム、水分補給や欠食を避けるための食事、休息の取り方など、日常生活で整えられる点についても、ご家族と一緒に考えていきます。
お子さんの様子で気になることがあれば、一人で抱え込まず、まずは学校や医療機関に相談してください。そのうえで、身体面や生活面でお力になれることがあれば、いつでもご相談ください。

